アラスタ伝
05.11.23 水曜日
還り
れえさんの結婚パーティーに出席していたクラウディアさんとアラスタさん(名前が覚えられなかった。仮名。)と
切符売り場で一緒になり一緒に還る。
己は(偉そうなので)初対面の人に自分からあいさつにいくことってほとんど無い。
だが、今回のパーティーは温かくてとても気持ちよかったので己も気持ちが大らかになって
自分から話し掛けた。
もし、パーティーであいさつしてなかったらここで会っても、また話さなかっただろう。
そう思うとあのあいさつはとても貴重だった。
クラウディアさんはイタリア人の26歳。
“玲々たるバンビ”武山玲子が留学していた時のお友達でれえさんは、イタリアの彼女のお宅にも遊びにいったことがあるのだそう。
旦那のアラスタさんは29歳。
己より年下かよというオドロキは隠せなかった。
式場は大江戸線の若松河田にあった。
そんで、彼らは今晩、青山一丁目のホテルに泊まるらしい。
行き方がよく分からないというが己も六本木まで征くので安心しなさいと言うと感謝された。
とても気持ちのいい夫婦だった。
電車で彼らはシルバーシートに座り、己は立っている。
彼らは席が空いてるのになんで座らないんだろうって顔をする。
なんでかというと、己が13年間シルバーシートに座ってない侠だからなのだが、
そんな個人ルールはいちいち説明しない。
己は両手を吊革に預けFBIエイリアンポーズ、彼らは己をみあげて話す格好だ。
まず、れえさんがどんなに素晴らしい女性かをふたりから聞いた。
YESYES、れえさんは素晴らしいよね。
日本では結婚式の祝儀をどうすればいいのかと聞かれ、二次会では要らないよと応える。
「一次会なら3万円くらい出すのが普通だけどね」と言うと、
一次会も出ていた彼らは「金じゃなくて家具をプレゼントしてしまった!」と大あわて。
ヨーロッパではMONEYをあげるなんて絶対無いとのこと。
「MONEYというからいやらしく聞こえるんですよ。祝儀なんです。でも、お二人ともご安心下さい。
プレゼントというのは心がこもってればいいんです。おふたりとも新郎新婦の人となりはよくご存知でしょう?
お金じゃなかったからってがっかりするような彼らではありませんよ。」
おふたりは少し安心されたようでしたが、また念を押してきます。
「本当かい?」
「本当ですよ」
「必ずお金を包まなければならないってことはない?」
「YESYES」
「家具とかでもよかったかな?」
「大丈夫大丈夫」
「日本の常識を分かってない奴等だってレイコはdisappointしたかな?」
「YESYES」
「…。」
「ん?あ、disappoint(失望)か。してないしてない。大丈夫だよ!元気出して下さいよ」
「わかったよ。ありがとう。ひ、ひ、ひ、」
「ひさしです。欧米の方はsashiの発音が苦手のようですね。」
と余裕カマしていたところ
「あ!」
飯田橋やんけ!
まるで逆方向に来てしまった。
もうドアが閉まる
「おふたり、降りるよ!」
というとふたりもエエッと慌ててホームに飛び出る。
「ごめん。反対だった。」
というとふたりは大爆笑。
お腹をかかえて笑っている。
己も笑っちゃう。
「安心しなさいなんてよく言えたもんだね!」
「いや、いいんだよ、ひ、ひ、」
「ひさしね。」
「ひさし!あっはっはっは。君は面白い奴だ。是非、うちに遊びにおいで。歓迎するから」
という話になり彼らとは青山一丁目で別れた。
途中、同じくパーティーに出席していた新宿在住のアメリカンカメラマンさんも合流。
服が安いところはどこか?という質問に彼が「浅草のカッパ橋だね」と答え
「えー?ちょっと待てよ」とまた盛り上がる。
05.11.23 水曜日
還り
れえさんの結婚パーティーに出席していたクラウディアさんとアラスタさん(名前が覚えられなかった。仮名。)と
切符売り場で一緒になり一緒に還る。
己は(偉そうなので)初対面の人に自分からあいさつにいくことってほとんど無い。
だが、今回のパーティーは温かくてとても気持ちよかったので己も気持ちが大らかになって
自分から話し掛けた。
もし、パーティーであいさつしてなかったらここで会っても、また話さなかっただろう。
そう思うとあのあいさつはとても貴重だった。
クラウディアさんはイタリア人の26歳。
“玲々たるバンビ”武山玲子が留学していた時のお友達でれえさんは、イタリアの彼女のお宅にも遊びにいったことがあるのだそう。
旦那のアラスタさんは29歳。
己より年下かよというオドロキは隠せなかった。
式場は大江戸線の若松河田にあった。
そんで、彼らは今晩、青山一丁目のホテルに泊まるらしい。
行き方がよく分からないというが己も六本木まで征くので安心しなさいと言うと感謝された。
とても気持ちのいい夫婦だった。
電車で彼らはシルバーシートに座り、己は立っている。
彼らは席が空いてるのになんで座らないんだろうって顔をする。
なんでかというと、己が13年間シルバーシートに座ってない侠だからなのだが、
そんな個人ルールはいちいち説明しない。
己は両手を吊革に預けFBIエイリアンポーズ、彼らは己をみあげて話す格好だ。
まず、れえさんがどんなに素晴らしい女性かをふたりから聞いた。
YESYES、れえさんは素晴らしいよね。
日本では結婚式の祝儀をどうすればいいのかと聞かれ、二次会では要らないよと応える。
「一次会なら3万円くらい出すのが普通だけどね」と言うと、
一次会も出ていた彼らは「金じゃなくて家具をプレゼントしてしまった!」と大あわて。
ヨーロッパではMONEYをあげるなんて絶対無いとのこと。
「MONEYというからいやらしく聞こえるんですよ。祝儀なんです。でも、お二人ともご安心下さい。
プレゼントというのは心がこもってればいいんです。おふたりとも新郎新婦の人となりはよくご存知でしょう?
お金じゃなかったからってがっかりするような彼らではありませんよ。」
おふたりは少し安心されたようでしたが、また念を押してきます。
「本当かい?」
「本当ですよ」
「必ずお金を包まなければならないってことはない?」
「YESYES」
「家具とかでもよかったかな?」
「大丈夫大丈夫」
「日本の常識を分かってない奴等だってレイコはdisappointしたかな?」
「YESYES」
「…。」
「ん?あ、disappoint(失望)か。してないしてない。大丈夫だよ!元気出して下さいよ」
「わかったよ。ありがとう。ひ、ひ、ひ、」
「ひさしです。欧米の方はsashiの発音が苦手のようですね。」
と余裕カマしていたところ
「あ!」
飯田橋やんけ!
まるで逆方向に来てしまった。
もうドアが閉まる
「おふたり、降りるよ!」
というとふたりもエエッと慌ててホームに飛び出る。
「ごめん。反対だった。」
というとふたりは大爆笑。
お腹をかかえて笑っている。
己も笑っちゃう。
「安心しなさいなんてよく言えたもんだね!」
「いや、いいんだよ、ひ、ひ、」
「ひさしね。」
「ひさし!あっはっはっは。君は面白い奴だ。是非、うちに遊びにおいで。歓迎するから」
という話になり彼らとは青山一丁目で別れた。
途中、同じくパーティーに出席していた新宿在住のアメリカンカメラマンさんも合流。
服が安いところはどこか?という質問に彼が「浅草のカッパ橋だね」と答え
「えー?ちょっと待てよ」とまた盛り上がる。