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05.06.22 水曜日
弟子を怒らせると怖い
自宅で仕事をしていると多苗尚志の一番弟子(女子の部)を名乗っている“コンフィ”小林容子から己のケータイにこんなメールが舞い込んだ。
『師匠~、今、ショウゴさんと一緒にいるんですけど~、コンフィとどっちが大事?』
ショウゴさんというのは“静かなる熱血博多男児”豊田庄吾のことだろう。
まぁ女性はこんなメールは受けないだろうが、あなたがこんなメールを受けたら、どう応える?
こんなメールはどうせ呑みの席から来ているのであろう。
女の子であるコンフィを選んで
「コンフィに決まってるじゃないか!」
とでも返しておけば
その席は丸く収まるのであろう。
己もバカじゃない。そんな空気は重々承知だ。
コンフィ…とまでメールを打ち掛けて
しかし、己は超真剣に悩んでしまった。
「友人」というテーマに関し、この多苗尚志。
妥協はみせたくない。
庄吾さんとコンフィだろ?
庄吾さんとコンフィだろ?
どっちか…。
え、どっちだ?
人間関係は天秤に掛けられない。
基本的にはそういう考えだ。
天秤に掛けられないというか、場面によって違うというのが正確であろう。
しかし、そんなどっちつかずの応えを返すことに、一種、逃げのような感覚も覚えた。
どっちか?と尋かれているのだからどっちかで応えなければならない。
どっちだ?
庄吾さんとロッククライミングをしている場面を思い出す。
コンフィと“キン肉パスタ”川島賢一の家で呑んだことを思い出す。
庄吾さんとはサシ呑みをしたことがあるが
コンフィとは亡い。
10分経過。
ケータイはテーブルに置かれ、己は腕を組んで真剣に悩んでいる。
そしてやっぱりコンフィだとケータイを開けて、メールを打ち出した。
こうメッセージした。
『今のところ、共有体験を多く過ごした庄吾さんです。』
己はこう打って、送信してみて、スゴク納得した。
どっちも大事。
ならば判断要因は共有体験の多寡に委ねられる。
このブログ、友のいるKIにしても、庄吾さんに関する記述はあるが、コンフィに関する記述はない。
文句があるなら、もっと己と共有体験をしよう。
速攻で返事が返ってきた。
『解りました、もう師匠に捨てられた私は玉の輿にのります。』
うん、まぁそう来るだろうな。
悔いはない。
そして、庄吾さんからリアルに電話が掛かってきた。
沈痛な表情の声で
「多苗チャン。間違ってるよ。選択間違ってる。今すぐ謝った方がイイよ。」
コンフィに電話が変わる。
「多苗さん?」
己はもう、この一言で事態が相当ヤバイことを体感した。
彼女は己の弟子を名乗って以来、一度も己を多苗さんと呼んだことはない。
必ず師匠と呼んでいた。
それが名前を出すと言うことはリアルに師弟関係の終焉を意味していた。
これは相当にヤバイ。
電話から察するに彼女は本当に哀しげだ。
仕方ないな。
回答にはなんの後悔も亡いが、女性を、自分を慕う者を哀しませてしまっては
多苗尚志が廃る。
これは誠意ある姿勢はみせなければならない。
彼女との会話は続いている。
「多苗さん、今どこにいるんですか?」
「自宅。永福町だよ。」
「今から渋谷に来てください。」
「…。わかったよ。征くよ。征ったら許してくれる?」
「んー。半分くらい。」
「半分かよ。もうちょっと許して?」
「じゃー、5/8」
わかった。それなら征こう。
己は愛馬(オバちゃん号)に跨[またが]ると
超ダッシュで渋谷に向かう。
定期があるんだから、井の頭線で行けばいいが、
帰りの激混みを考えるとチャリがいい。
あの激混みを日に2回以上味わうのは苦痛だ。
それに己は誠意を魅せるのだから、急ぐんなら人力で走る。
警察もふりほどく超ダッシュで渋谷に着き、
女性に謝るならケーキだろ。ということで22時で閉まるケーキ屋に
ギリギリ駆け込み、ケーキを購入。
しかし、食通の彼女にケーキひとつでは心許ないと思い、
ハーゲンダッツも持ち帰りで購入。
走る。
到着。
許しを乞う。
カノッサの屈辱か。
いや、しかし己は回答も、この謝罪も自分の筋を通して納得している。
屈辱とは微塵も思わない。
彼女からは、まぁ許される。
場には庄吾さんの他に“深みをたたえる瞳”吉澤由香とがーくんさんも居た。
目的は果たした。
己は仕事があるので早々に還る。
次にまた同じような質問が来たとしても己はマジで応えてしまうと思う。
投稿者 多苗尚志 : 2005年6月22日 00:00編集
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