- 06/02
- ビタミン晶
05.06.02 木曜日
ビタミン晶
小学校の時の、佐藤は今なにをしてるだろう。
勉強はできないけれど、体が大きくて、スポーツ万能で、
ケンカが強くて、下品で、クラスを牛耳っていたあいつ。
加藤君は今なにをしているだろう。
当時、己の親友という称号にふさわしかった漢で、
ギャグがメチャクチャ面白く、毎日一緒に還ったあいつ。
あんなに存在感のあった彼らの存在が
今の己には思い出そうとしないと思い出せない。
思い出そうとしても思い出せない。
その時期、その時期、
人生の節目節目で我々は友達と出会うけれど、
引っ越しだったり、卒業だったり、互いの道が変わったり、
互いのステージに集中したりで、
友達は砂のように消えていく。
それが当然だといわんばかりに。
それが大人の分別だといわんばかりに。
己はそれが哀しい。
己はそれがさみしい。
死ぬまでつきあえる友達とは2~3人を指すのだろうか。
2~3人でなければならないのだろうか。
恋人・親友・結婚式に呼びたい友達・それ以外の友達と、
分けねばならないのだろうか。
己はたくさんの友達と人生を過ごしたい。
彼も彼女もあいつもこいつも、己の大好きな友だ。
悪いか。
“スピードの哲人”清水宣晶という漢がいる。
己の大好きな漢だ。
彼と己との間に取り交わされる、
多分に背景や意味を含んだギャグとセリフのやりとりは、
極上の蜜であり、
どんなに極上世界一のエンターテイメントをもってしても、
「それを魅せてあげるから、もう晶君との会話は捨てなさい」
と言われたら己はそれを突っぱねるだろう。
最近、彼は仕事が忙しい。
彼とのやりとりが少ない。
己の人生に清水宣晶が足りない。
ビタミン晶が足りないッ。
己は、そんな気持ちを共有してくれるであろう、
“イタズラやさしいカメラマン”奥村真一と共に
清水宣晶が棲む自由邸へ向かうのだった。
投稿者 多苗尚志 : 2005年6月 2日 11:44編集
[ 奥村真一伝
・清水宣晶伝
]