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06.06.06 火曜日

日本海

温泉で四時間くらい過ごし、一路日本海を目指す。

うみ。


己はうみでは遠くからみんなが遊んでるのをみているのが好きだ。(半分大嘘)

うみはやはり陸の果て。

果てまで来たという感覚がいい。

 
もう一度温泉へ征く。

まさに陽が沈まんとしている。

“淫靡な淑女”有馬友恵は速攻で湯へ走る。

「湯に浸かりながら観た方がいいにキマッてるじゃん」と云う。

“スピードの哲人”清水宣晶は、
「風呂を10分であがって陽がまさに沈むという時に戻ってくる」と云って湯にダッシュ。

己と“藍田玉を生ず”五十川藍子は、
温泉所のテラスで生ビールを呑みながら夕陽をみている。

集団にあってもこの確立バラバラ感が心地よい。

自分のみたい見方でみたらええよ。

たまたまこの時間にテラスにいて、夕陽があって、なんとなくグズついた空で
海風が吹いていて、入り江は凪いでいて、生ビールがあって
気のおけない友人がいる。

五十川藍子は大きな声でペチャクチャペチャクチャどんなにこの景色が最高か己に話し掛けてくる。

己は余韻を楽しんでいるから顔も向けずに言葉少なで「ああ」「ああ」と応える。

彼女は怪訝そうに「あら。眠くなっちゃったのかしら。」と言う。

この「やれやれ感」まで含めて

最高だ。

 
イイ映画とイマイチな映画を分かつものはなんだろう。

己の場合はこうだ。

三年や五年くらいしてからあの映画を観たことだけは覚えているけど
ストーリーは子細に覚えていなくて。

でも、エンディング。
秋の並木通りに西日が差していて手前に男が立っている。
ずっーと奥から米粒だった女がだんだん近づいてきて
男に一瞥もくれず通りすぎていく。その場面ずっと無音。

このように1シーンでもいいから心に残っているシーンがあるかどうか。

それがいい映画か否かの分け目だ。

これは映画にしても舞台にしてもライヴにしても

そして旅にしても言えることだ。

 
今回のマジカルミステリーツアーは覚えてる場面がたくさんだ。

投稿者 多苗尚志 : 2006年6月 6日 12:06編集
[ 五十川藍子伝清水宣晶伝有馬友恵伝 ]

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