某作家佐藤伝
08.04.06 日曜日
やうやう白き繭のように
某作家佐藤の繭へ
ここには永遠の時間が流れている。
クリムトは何度見ても新しい発見がある。
07.12.28 金曜日
ターチャンランチ第102食in麻布十番
某作家佐藤にランチを作って頂く。
きょうは「海鮮うどん」でした。うまい
海鮮うどんを食べながら己が思っていたことは
前回よりひとつ多くランプがついているな、ということだった。
某作家佐藤は名言家だ。
己がうれしくなってしまうような、記憶に残るセリフを自然に吐いてくれる。
「私はよく、自分がアーマロイドレディになる夢をみるの。」
アーマロイドレディというのは『コブラ』に出てくるキャラクターだ。
渋過ぎる。
女性が、少年漫画などの男性文化に触れる時、ある種の衒い[てらい]が
感じられることが多くあるが
彼女の場合、それは感じられない。
ごく自然だ。
受け手である己の感覚の問題だとしても、事実、自然である。
昨日の昼、己は電話で彼女を起こしてしまった。
彼女はすっ裸で寝ていたと言っていた。
寝る時いつも裸なのかどうか、己のあずかり知らぬところだ。
だが、アーマロイドレディの夢をみるというのなら、いつも裸だと考える方が自然だろう。
(アーマロイドレディを知らない読者諸氏は調べてみるといい)
さて、己はまた涅槃へと入滅していく。
投稿者 多苗尚志 : 13:11
[ 某作家佐藤伝
・多苗尚志ランチ~昼食会見
]
07.12.13 木曜日
麻布十番ランチ第98食
某作家佐藤に昼飯をいただく。
シーフード雑炊というオリジナル料理を作ってもらう。
早くてウマイ。
時間をぜいたくに使ってゆっくりとお互いを話す。
「沈黙」は雄弁な言葉だ。
無から有はないというが、この世に無はないのかもしれない。
ゼロというものが、数学史においてだいぶ後から発明されたものであることが示唆するかのように。
「しあわせ」のカタチについて話し合える相手というのは貴重だ。
相手に文脈がなければ語ることはできない。
某作家佐藤は「しあわせ」と「宇宙」について語り合える貴重な相手だ。
クリムトが飾ってあった。
しあわせと宇宙を語り合う中、己という個は全体に溶け
クリムトが使う渦巻きデザインの必然性のラインがすべてはっきりと見える体験をした。
アハ!
投稿者 多苗尚志 : 16:22
[ 某作家佐藤伝
・多苗尚志ランチ~昼食会見
]
07.10.24 水曜日
佐藤さんと初対
“たまごさん”吉村紘一が是非会わせたい人がいるというので
我が清水宅から銀座まで征く。
この話自体は結構前から出ていたがタイミングが合わなかった。
こういちくんが根気よくセッティングしてくれて実現した。
感謝である。
大体、人と人をつなげるなんてそいつ自身にはメリットの低いことだ。
おまけに、その場に一緒にいなければいけないし、お金も遣うわけだ。
こういうことができる人は豊かだし、貴重な人だと言えるだろう。
己も正装で出向く。
某作家佐藤嬢と引き合わせて頂いた。
こういちくんから聞くところによると
若年から世界を廻り、その体験も出版されているらしい。
事前に読んでおこうと思ったが、絶版だった。
佐藤嬢と向き合う。
第一声
「世界を廻ったらしいね(※セリフは違う)」と右ジャブをいれる。
そのジャブは当たりも避わされもせず、透明になってなかったものとしてすり抜ける。
佐藤嬢はレフェリーの吉村紘一に向かって
「あたし、変な顔してない?」と尋く。
「来る時のタクシーで泣いちゃったから、化粧崩れてないかな。」
おっとぉ。
己は両拳をだらりと降ろし半身の構えを解いて胸を開いて佐藤嬢に向き直す。
そっから、メローなバラードのように佐藤さんの話を聞いていく。
昼下がりのビールにぴったりなスピードで。
今まで勢いがノってわーっと意気投合するパターンは何度かあったが
勢いを下げたところから理解を深めていくパターンは初めてだ。
佐藤さんは初対面の己に対してプラスもマイナスも胸の内をさらけ出してくれた。
好きだったのは、佐藤さんの中で自我と宇宙的な自我が分かれていることだった。
宇宙的というダサイ言葉が適当かどうかは別として
彼女は「人を食い物にして、更になんとも思ってないような、むしろそんな自分を肯定してるような男が嫌い。」嫌い。体験をもって嫌い。憎んでいると云える。
その一方で、「もう1人の私は全てを愛する。肯定している。」
「その男をも?」「その男も。」
「はー」っと、体内の空気が1cc残らず全て外に出るような響きをもらう。
その後、同じ店の中で場所を変えて話す。
既に次の作品も何本か書いているとのこと。
宿命的に表現せずにはいられず、その表現は自分の内的世界だけに向けられたものではなく
外界への敷衍性をもっている。
これが佐藤さんと向き合った感触。
作品を読んでみたいな。
食事を終えて(佐藤さんはもう食べたからと言って食べなかったけれど)
コーヒーも茉莉花茶も飲み終えて、3人で水だけ飲んでいる。
「もう少ししたら私はウィーンに永住したいんだ。私は喫茶店マニアなんだけど、
ウィーンには古くて明かりの温かい喫茶店がいっぱいあるの。」
小説の中の女の子と話しているような錯覚。
※このエントリをもって某作家佐藤が友いるKIに入伝しました。
08.04.06 日曜日
やうやう白き繭のように
某作家佐藤の繭へ
ここには永遠の時間が流れている。
クリムトは何度見ても新しい発見がある。
07.12.28 金曜日
ターチャンランチ第102食in麻布十番
某作家佐藤にランチを作って頂く。
きょうは「海鮮うどん」でした。うまい
海鮮うどんを食べながら己が思っていたことは
前回よりひとつ多くランプがついているな、ということだった。
某作家佐藤は名言家だ。
己がうれしくなってしまうような、記憶に残るセリフを自然に吐いてくれる。
「私はよく、自分がアーマロイドレディになる夢をみるの。」
アーマロイドレディというのは『コブラ』に出てくるキャラクターだ。
渋過ぎる。
女性が、少年漫画などの男性文化に触れる時、ある種の衒い[てらい]が
感じられることが多くあるが
彼女の場合、それは感じられない。
ごく自然だ。
受け手である己の感覚の問題だとしても、事実、自然である。
昨日の昼、己は電話で彼女を起こしてしまった。
彼女はすっ裸で寝ていたと言っていた。
寝る時いつも裸なのかどうか、己のあずかり知らぬところだ。
だが、アーマロイドレディの夢をみるというのなら、いつも裸だと考える方が自然だろう。
(アーマロイドレディを知らない読者諸氏は調べてみるといい)
さて、己はまた涅槃へと入滅していく。
投稿者 多苗尚志 : 13:11
[ 某作家佐藤伝
・多苗尚志ランチ~昼食会見
]
07.12.13 木曜日
麻布十番ランチ第98食
某作家佐藤に昼飯をいただく。
シーフード雑炊というオリジナル料理を作ってもらう。
早くてウマイ。
時間をぜいたくに使ってゆっくりとお互いを話す。
「沈黙」は雄弁な言葉だ。
無から有はないというが、この世に無はないのかもしれない。
ゼロというものが、数学史においてだいぶ後から発明されたものであることが示唆するかのように。
「しあわせ」のカタチについて話し合える相手というのは貴重だ。
相手に文脈がなければ語ることはできない。
某作家佐藤は「しあわせ」と「宇宙」について語り合える貴重な相手だ。
クリムトが飾ってあった。
しあわせと宇宙を語り合う中、己という個は全体に溶け
クリムトが使う渦巻きデザインの必然性のラインがすべてはっきりと見える体験をした。
アハ!
投稿者 多苗尚志 : 16:22
[ 某作家佐藤伝
・多苗尚志ランチ~昼食会見
]
07.10.24 水曜日
佐藤さんと初対
“たまごさん”吉村紘一が是非会わせたい人がいるというので
我が清水宅から銀座まで征く。
この話自体は結構前から出ていたがタイミングが合わなかった。
こういちくんが根気よくセッティングしてくれて実現した。
感謝である。
大体、人と人をつなげるなんてそいつ自身にはメリットの低いことだ。
おまけに、その場に一緒にいなければいけないし、お金も遣うわけだ。
こういうことができる人は豊かだし、貴重な人だと言えるだろう。
己も正装で出向く。
某作家佐藤嬢と引き合わせて頂いた。
こういちくんから聞くところによると
若年から世界を廻り、その体験も出版されているらしい。
事前に読んでおこうと思ったが、絶版だった。
佐藤嬢と向き合う。
第一声
「世界を廻ったらしいね(※セリフは違う)」と右ジャブをいれる。
そのジャブは当たりも避わされもせず、透明になってなかったものとしてすり抜ける。
佐藤嬢はレフェリーの吉村紘一に向かって
「あたし、変な顔してない?」と尋く。
「来る時のタクシーで泣いちゃったから、化粧崩れてないかな。」
おっとぉ。
己は両拳をだらりと降ろし半身の構えを解いて胸を開いて佐藤嬢に向き直す。
そっから、メローなバラードのように佐藤さんの話を聞いていく。
昼下がりのビールにぴったりなスピードで。
今まで勢いがノってわーっと意気投合するパターンは何度かあったが
勢いを下げたところから理解を深めていくパターンは初めてだ。
佐藤さんは初対面の己に対してプラスもマイナスも胸の内をさらけ出してくれた。
好きだったのは、佐藤さんの中で自我と宇宙的な自我が分かれていることだった。
宇宙的というダサイ言葉が適当かどうかは別として
彼女は「人を食い物にして、更になんとも思ってないような、むしろそんな自分を肯定してるような男が嫌い。」嫌い。体験をもって嫌い。憎んでいると云える。
その一方で、「もう1人の私は全てを愛する。肯定している。」
「その男をも?」「その男も。」
「はー」っと、体内の空気が1cc残らず全て外に出るような響きをもらう。
その後、同じ店の中で場所を変えて話す。
既に次の作品も何本か書いているとのこと。
宿命的に表現せずにはいられず、その表現は自分の内的世界だけに向けられたものではなく
外界への敷衍性をもっている。
これが佐藤さんと向き合った感触。
作品を読んでみたいな。
食事を終えて(佐藤さんはもう食べたからと言って食べなかったけれど)
コーヒーも茉莉花茶も飲み終えて、3人で水だけ飲んでいる。
「もう少ししたら私はウィーンに永住したいんだ。私は喫茶店マニアなんだけど、
ウィーンには古くて明かりの温かい喫茶店がいっぱいあるの。」
小説の中の女の子と話しているような錯覚。
※このエントリをもって某作家佐藤が友いるKIに入伝しました。