説明するのが複雑なので分かりやすくメチャクチャ極端な例で。
実際の彼はそうではないのだが、彼が少年院に入っていたとする。
彼と己で2人一緒にいたイベントに女の子が来ていた。
その女の子は「大学では色々勉強をしました。法律などについて勉強する傍ら、ボランティアで少年院に慰問にも行ってました。
彼らと触れあう機会をもち、様々なドラマもあり、それが私の成長に繋がっています。」
なんてことを言っていた。
会場のみんなはほぉ〜っなどと感心しているのだが、
彼、川森君は心中穏やかではないように己には見えた。
果たして、その後彼と呑むと「あんなお姉ちゃんに、少年院の奴らの気持ちなんて分かるわけがない」という。
そういうものだろう。
他の会話をいくつか繋いでいくと
川森君は「人間が好きで。昔はケンカ早かったりもしたけど、今はみんな好き。」
ということを言った。
己は意地悪く「でも、今日のお姉ちゃんみたいのはあまり好きではないんだね」と質問した。
すると彼は「好きだよ。もう愛しちゃってる。笑。彼女のやってることはどうかなと思うところもあるけれど、それはまた直接話をすればいいわけで、彼女自身はとても好きになれると思うよ」
と言ってのけるではないか。
己はただもう打ちのめされるしかなかったのである。 |