月: 2018年8月

ルーツを感じる墓参り

『花見をして、サクラが美しいときに
花に水をやる者はいない。
水は根にやるものだ。』

というわけで、多苗尚志、
休暇をとって、墓参りに征って参りやす。

自分のルーツを大切にしたいなと思ったお年頃です。

今頃感は否めません。

小中学で墓参りしたことはあるけど、
そこからはケアできず。
それってどうなの?

父方の血筋で滋賀県は大津に参りやす。

1日目
まずは京都入りして友人宅へ。

新幹線の車窓風景が好き。

永福庵家宅捜索ャゥッッ

前提------------

①この文は己が30歳の時のものです。

当時は、自転車で都内を駆け回っていました。

明白に己の自転車でしたが、いつも警察に自転車チェックされてました。

②当時、野郎3人でルームシェアをしていました。

「永福庵」という名前で、シェアメイト用のML

(メーリングリスト。今でいうLINEグループ)

もありました。

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己は全力で駆け抜けていた。

自転車で。

月曜夜中2時の井の頭通りを。

こんな本気で自転車をこいだのは久しぶりだ。

久しくそういう必要がなかったから。

スポーツ自転車はともかく、同じママチャリなら
なんぴとたりとも己の前は征かせねぇ。

前走ってる奴がいても、己が少し本気を出すとすぐ追いつちまうからつまんねぇ。

ライバル不在の絶対王者。

だが今日は違った。

己を追うというバカヤロウがいるわけだ。

推察年齢40以上。

赤信号で止まり、後ろに気配を感じ、まさかとは思ったが。

やはり彼の者はどうやら己を追うことにしたらしい。

「バカか…」

と己はつぶやく。

自転車に乗ったまま後ろを振り向き、赤信号が変わるまで奴を睨めつける。

青に変わった瞬間、叫ぶ。

「下賤めが!王者の走りに置き去られるがイイ!」

その叫びが、草木も眠る丑三つ刻の井の頭通りに響き渡れば、
奴と己は加速を始める。

己の薄緑の自転車(オバちゃん号)と奴の高価そうな白い自転車がせめぎ合う。

せめぎ合う?

フン。

せめぎあうというのは距離が縮まったり離れたりすることを云うのだ!

君の場合、ひたすら離されまくりじゃないか、

警察君!

あ~ん?

今回ばかりは相手が悪かったな!

オマエらは毎度よってたかって己を窃チャリ犯に仕立てたがる。

もうたくさんだ!

こっちは年間100回は停められているぞ!

多い日は1日に4回だ!

多い日も不安!

イチイチ停められて7分くらいつきあわされた挙げ句、
結局己のだとわかって
「あ。すみませんでした~」と間の抜けたあいさつの一言で済まそうとする。

基本的人権の無視!

己のチャリが己のだと証明するのに毎回7分かけるのか?

自転車用のETCをつくれ!ETCを!

防犯登録をバーコードにしろ!

相手を5光年後ろまで抜き去ってやったが、

永福町駅前大勝軒ラーメンの角まで来た時

己の悪い癖が勃発した。

「待ってやるか。」

もはやかわいそうなくらい米粒のようになってしまった警察君だが

尚、公僕としての職務をまっとうすべく

ケナゲに追ってくる。

ちょっとかわいそうになった。

昔から圧勝気味になると情けをかけ(て敗ける)だすのが己の悪い癖だ。

でも、そんな己が己は好きだよ。

大体、赤信号になると向こうは職業柄停まるが、己は顔パスなのだから

ちょっとハンデをつけてやってもいい。

ようやく追いついてきたところで「やれやれ」とまるでハイキングのようなノリで
また走り出す己。

今度は手加減してやるからさ。

だが、ペース配分を誤り、今度は警察君となかなか差がつかない!

つけようにも距離が足りない。

もう永福庵だ!

己は駄々ッと庵になだれこむも、警察に家がバレてしまったカタチだ。

玄関の鍵も締めずに二階まであがってきてしまった。

今日は、庵にはレツはもちろん、2週間に一回還ってくるけいじも寝ている。

静寂と真っ暗の永福庵

「コンコン」とドアをノックする音がする。

「もしも~し」

己は無視して抜き足で

自分の部屋にあがり着替えて寝ることにした。

「コンコン」

「もしも~し」

…。

着替えました。

今日はもう寝ます。

「コンコン」

「もしも~し」

意外にしつこい。

もう、家もわかったしいいじゃねぇか。

第一、裏口から逃げることもあり得るぞ。

そんなとこで呑気にコンコンしてていいのか。

(15分経過。)

「コンコン」

「もしも~し」

だー、うるさい。

2分に一回くらいの間隔でコンコンしてくる。

外では応援が来たのか、ザッと無線の音がしたり、

己の自転車(オバちゃん号)を調べるような声などがしている。

ご近所さんにだって迷惑だ。

「コンコン」

「もしも~し」

ダー、もう。

別に己はなにも悪くないのだし、

あきらめて己の自転車だと証明しようと立ち上がった時、

魔が差した。

これは、面白いぞ!うふ

警察が家に攻めてくるなんて滅多にないことだ。

これは楽しまなければいけない。

警察よ、諦めて還るか?還らないでもし家にあがってくるとしたら、まずは…

そう思った時、ガチャと玄関が開く音がした。

「もしも~し、自転車に乗ってた方ぁ」

なんて間抜けな問いかけなんだ。

「もしも~し、久我山警察ですけどぉ」

久我山?そうかそっから始まったんだ、あの華麗なる圧勝レースは。

警察は令状がないと中まではあがれないのか玄関先でちんたらやっている。

「もしも~し、夜分にすいません。」

アホか。

それよりけいじとレツは気づかないのか。

ふたりが起きる気配はまるでない。

寝息すら聞こえている。

と、その時警察が階段をあがってくる音が聞こえるではないか!

って、今まで20分くらいのやりとりはなんだったんだよ!

じゃあ、最初っから入ってくりゃいいじゃねぇか。

警察は階段を登りきるとけいじの部屋に行った!

やった!

己の思惑通りだ!

永福庵の二階はこうなっている。


人間の心理を考えて階段を登ったらまずけいじの部屋を攻めるだろう。

ドア越しに警察の声が聞こえる。

「コラ」

けいじ:「…。」

「コラ」

け:「…」

「寝てるんじゃないよ、コラ」

け:「ンゴ…」

哀れけいじ、夜中の二時に起こされるの図だ。

「どうやって帰ってきたの?」

どうやって帰ってきたもなにもねぇだろ。

け:「んん?」

「あんた自転車乗ってただろ」

け:「自転車ぁ?え?あれ?なん?え?なんスか」

やっと異常に気づいたけいじ。

「あんたいつ帰ってきたんだ。」

け:「終電?ですけど…」

「うそつけ。どっから?」

け:「嘘じゃないですよ、え?」

「あれ?この人じゃねぇみたいだな。」

この人じゃねぇ、じゃねぇよ。

それですまされるんかい。

「こっちの人か…。」

己の部屋に意識が向いてるようだ。

「すいません。こっちの人はいつ帰ってきたの?」

け:「え?いませんけど」

「うそつきなさいよ」

けいじは己がいない時に還ってきて、すぐ寝てるんだから、
その後に還ってきた己のことなんか知るわけねぇだろ!バカか。

けいじがかわいそうになって、いてもたってもいられなくなったので、
己は部屋を出ていった。

「おお!この人だよこの人。ほら、いるじゃない。うそつくんじゃないよ!」

け:「ええ!?ええ?」

け:「ヒサシなんでいるの?」

己は驚くけいじを無視し(多少笑いをこらえきれず)、

警察の脇をすり抜け

「あんたらね、勝手にひとんちあがるんじゃないよ」

と言って階段を降りていった。

「あんたが逃げるから…」

「そら逃げるよ!イチイチ相手にしてらんないよったく。
ホラ、防犯登録でしょ?さっさと検証して」

けいじもエエエ?という顔して降りてくる。

ヒサシ君大丈夫?なんかついにヤッちまった?

外に出ると見事4人も警察が集まっている。

そして7分かけて確認して終わり。

「あ、お騒がせしました。」

はいはい。

去り際、己とレースした警官が「あんたなかなか早いね。」

なかなかじゃねぇよ。お前さん全然圧敗だったじゃねぇか。

警察が還って己も寝ようとすると

けいじがまだ状況をつかめてない顔でびっくりしてる。

「え?え?」

二階まであがるとレツがパジャマを着替えて起きてきている。

「終わった?生きてる?」

は?

己は寝た。

翌朝、永福庵MLに流れたけいじのメール
> 昨日の件。
> 完全に寝てた。
> ちょっとって起こされた。
>
> こいつら酔ってるよ~。
> めんどーだぁ。
> あれ?
> おっさんだ。
> バスの運転手だ。
> ヒサシの友達だ。
> なに?
> なんか聞いてくる。
> いつ戻ったのって?
> 終電。
> どっちからって。
> あれ?
> 知り合い?
> 川島くん?
> ?
> 誰だっけ?
> あれ?
> ・・
> やばい系の人だ!(銀行強盗系)
> でも丁寧?
> メガネメガネ・・。
> あれ。
> 警察?
> ちょっと来てって。
> どうしたどうした。
> 事件だ事件だ。
>
> あれっ。
> ひさしが起きてきた。
>
> 結局何事もなく。
>
> 気のきいた事が言えなかったのが悔やまれる。

レツ君のメール
> いや、昨日途中で起きてびっくりしたよ。
>
> ・警察がきてる
>  -一階が荒らされた?
>  -近くに強盗が入った?
>
> ・実は警察ではなくて泥棒
>  -警察のふりをしている・・けいじ君やられた?
>
> とか想像し、ひそかに重装備して様子を伺っていました笑

AでありBである-言葉の限界を超える

【気づきの対話】

自分が昔書いていた気づきを再掲(多少加筆修正)し、

改めて今感じることを自己対話。

 

~2006.12.18~AでありBである-言葉の限界を超える-

 

シェイクスピアのマクベスの冒頭で
白いは黒い 黒いは白い
きれいは汚い 汚いはきれい

という部分があるが
高校生の頃はなんのこっちゃわからず
ただの言葉遊びのようで腹が立っていたが今ならわかる。

AでありBであるということが
真理であり、真実であり、最強であり、…である気がしている。

なにかを主張する時、Aであると断言することは
Bを否定している。

だが、本当にAなのか?という疑いは究極的に
晴れることはない。

結局、「正解は自分にある」わけだから
キメの問題でしかない。

生きていくためにはキメや選択が必要であるが
本当にAなのか?ということは常に認識していたい。

物事には対比が存在する。

善悪、表裏、正邪、明暗…いくらでも。

たとえばA4の紙ペラをもち、
裏と表があるが、その裏と表の間はどちらなのか。

裏である!
表である!
と断言した瞬間に言葉は強さ[こわさ]をもつ。

強いは弱い。

杉の大木は台風に折れるが、柳は折れない。

断言のジレンマを超え、
言葉と言葉で言葉の間を表現して言葉の限界を超える。

AでありBでありたい。

 

【今想う己】

確かにこれは強力である。

ヒンズー教の聖典であるバガヴァッドギーターにも同様のことが

書かれていたのを後年知った。

これを多用し、真理を身につけた気持ちで友達と接し

なにを相談されても、それはね、AだけどBなんだよと言い続けていたら

「正しいけど、何も言ってない!」

と喝破され目が覚めた。笑。

言い切った瞬間にウソになる。

しかし、言い切る勇気もある。

本当に正しいかどうかわからない。

しかし、自分はその立場を貫く。

その力強さ、カッコよさは

もう一度己の中に注目したい。

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