98年、王子の佐藤電機ビル地下で行われた大学祭準備委員会の懇親会で出会う。
己の周りの友人にはいなかった、初めてのファッション性をもった人間だった。
己との初対面に対し、敬語を操り丁寧で礼儀正しく紳士的。
かつ語られる言葉は哲学に富んでいた。
初めての会話。「僕は村上春樹が好きでして、彼の世界観を吸収したいと思って模写なんかもしているんですよ。」
とのセリフは鮮烈で今でも覚えている。
当時、ファッションなどチャラチャラしてる奴だけが気にしてればいいのだと考えていた己に大きなセンセーションを与えた漢。
己がファッションを考察するようになった起点となった漢。
大学時代よりCANDYROCKというブランドを立ち上げ、大学の正門スロープ、私鉄の車内などで数々強烈なコレクションを行う。
服飾専門学校を経て、現在ブランド名をKEISUKE KANDAに更新。
決して平坦ではない道で砂を噛みながら真っ正面を歩む。
たくましい行動力とたゆまざる創作意欲に考えに考え抜いた自分の哲学を縫いこんで生み出されるそのファッションは
ゆっくりと確実に社会へ浸透している。 |